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「ギリシア人の物語3 新しき力@塩野七生」を読みました

[2018.10.22]



塩野七生氏の「ギリシア人の物語3 新しき力」を読みました。


前半はペロポネソス戦争の終結後からギリシアのポリスの凋落が描かれ、この部分は寂しいところです。

そして後半はアレクサンドロスの大活躍が描かれます。

アレキサンダー大王として良く知られていますが、大遠征をしたという事は知っていても良く考えれば伝記などを読んだ記憶もなく詳しく知らない英雄でした。

父の時代から始まるマケドニアの勇躍、そしてアレクサンドロスに至って大遠征をしペルシア帝国を滅ぼし大帝国を築き上げ、そして32歳で早死にします。

ハンニバルと言いユリウス・カエサルと言い英雄を描く時の筆は普段よりもワクワク感が伝わりますが、今回はこれらの古代の英雄たちがナンバーワンと評価するだけあってどんどんと読み進めてしまいました。

若さ、自信が先頭に立って突撃する戦術、人間心理、敗者との融合、自信の名をつけた多数の都市アレキサンドリア建設、などなど比類なき人物だと思いました。


そして本書の最後には歴史エッセイはこれで最後という事と読者へのお礼の言葉が書かれていました。

中学生以来ずっと作品を読んできましたが、氏のおかげでヨーロッパ史に興味を持ったように思います。他に類を見ない作品の作り方で知的好奇心のみならず小説ではないのにワクワクを感じさせる作品も多数ありました。

残念に感じるところもありますが、長編について書くべきものはすべて書かれたのだと思います。またいつか「ローマ人の物語」を一から読んでみたいです。

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